AIリテラシー EU AI規制法
カテゴリ: 法規制・コンプライアンス

EU AI規制法(EU AI Act)は、2024年に欧州連合(EU)で採択された、世界初となる包括的な人工知能に関する法的枠組みです。この法律は、AIシステムが人間の安全、健康、および基本的権利に与えるリスクのレベルに応じて、AIを4つのカテゴリー(不許容リスク、高リスク、限定的リスク、最小リスク)に分類し、それぞれのカテゴリーに応じた義務を課す「リスクベースアプローチ」を採用しています。
主な特徴と目的
この規制の主たる目的は、EU域内におけるAIシステムの安全性を確保し、基本的人権を保護することですが、同時にAIへの投資とイノベーションを促進することも目指しています。単なる規制強化ではなく、「信頼できるAI(Trustworthy AI)」の市場を創出することが意図されています。
適用範囲と域外適用
本法は、EU域内の企業だけでなく、EU市場にAIシステムを投入する、あるいはサービスを提供するあらゆる国の企業に適用されます(域外適用)。また、AIシステムの出力結果がEU域内で利用される場合も対象となります。これにより、日本を含む世界中のグローバル企業が対応を迫られることになります。
施行スケジュール
2024年8月の発効後、段階的に適用が開始されます。禁止されるAI(不許容リスク)については6ヶ月後、汎用AIモデル(GPAI)の規則は12ヶ月後、そして高リスクAIシステムの大部分については24ヶ月後(一部は36ヶ月後)に完全適用される予定です。
違反時の制裁
違反の性質に応じて、最大で3,500万ユーロまたは全世界売上高の7%のいずれか高い方が制裁金として科される可能性があります。これはGDPR(一般データ保護規則)を超える厳しい罰則規定であり、企業にとって極めて重大な経営リスクとなります。